今回は、農文協の「ヤギ―取り入れ方と飼い方・乳肉毛皮の利用と除草の効果 (新特産シリーズ)」をご紹介します。
ページ数:150p
寸法:18.2 x 12.8 x 1.4 cm
出版社:農山漁村文化協会
刊行日:2000-02-01
概要
こちらの本は、ヤギの飼育管理方法を中心に、ヤギの導入方法、飼育小屋作成のポイント、搾乳量や屠殺歩留まりなど、ヤギの飼育の実際を広く紹介しています。
著者は、30年に渡ってヤギの研究・普及に努めている鹿児島大学名誉教授の萬田正治氏。
第一章では、ヤギの有用性や、注目されている活用方法を紹介しています。ヤギ乳は、よく母乳に近いと言われますが、成分比較やその効用も紹介されています。
第二章では、ヤギの飼育を考える際に一番最初に引っかかる入手方法や、ヤギ小屋の造り、飼料についてのアドバイスが載っています。
また、ヤギ乳・肉生産経営についても、分類分けして解説してあり、経営アドバイスも載っています。
第三章では、具体的な飼育方法について解説しています。子ヤギの時期の飼育法のほか、種付けの時期から、哺乳・離乳など、広く取り扱っています。
この一冊を読むことで、漠然としていたヤギの飼育方法や活用方法が具体的に考えられるようになります。
あまり分量のない本なので、そこまで個別の事柄を深く掘り下げてはいませんが、初心者がまず悩むところ、そこを無視して初めて飼育を始めると困るといった点が、完結にまとめて書かれています。
これからヤギの飼育を検討したいのだけど、といった方におススメの一冊です。
本書読了後に、本格的にヤギの飼育を考えている方、実際に飼育しているといった方は、下記のようなの本があります。
『ヤギの科学』
『めん羊・山羊技術ハンドブック 第2版』
(一社)農山漁村文化協会「田舎の本屋さん」
また、著者の萬田氏が世話人(2018年度時点)を努めている
「全国山羊ネットワーク」のホームページでは、
・飼育情報
・セリ市場情報
・飼養管理説明会の開催案内
などが載っています。
参考にしてみてください。
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目次
はじめに
- ▼ヤギ見直しの動き
- ▼ヤギが注目されている理由
- ▼ヤギ一頭飼ってソンはない
- ▼ヤギ復活のとききたる
第一章 ヤギ復権の足音が聞こえる
一、女性や子供でも飼えるヤギ
- (1)健康を守る自家用家畜として
- (2)扱いやすく、教育効果も
- (3)空き地、野原、土手があればOK
二、乳、肉、毛皮の利用
- (1)人間の母乳に一番近く飲みやすい
- (2)アレルギーが発生しにくい
- (3)高品質のヨーグルト、チーズができる
- (4)赤身で高風味の味-沖縄、鹿児島県では健康食
- ①ヤギ肉は薬用にもなる
- ②高まるヤギ肉への関心
- (5)高級な毛皮-毛はきわめて細く、光沢がある
- (6)糞尿も貴重な肥料
三、注目される除草利用
- (1)驚くべき食草力
- (2)傾斜面や林間、耕作放棄地の“生きた除草機”
四、ヤギの教育力
- (1)教材に適したヤギ
- (2)珍しさと驚きの体験から
- (3)がんばれる子供、成長する教師に
- (4)種付け、分娩、搾乳など生命の学習
- (5)ヤギを通じて「総合学習」
第二章 ヤギの取り入れ方
一、初めて取り入れるときのポイント
- (1)乳用ヤギの導入
- (2)肉用ヤギの導入
- (3)飼いやすい品種を選ぶ
二、ヤギ小屋の設置
- (1)暑気、湿気を非常に嫌う
- (2)ぬれたり土のついている餌は好まない
- (3)ヤギ小屋は風通しと排水のよいところに
- (4)小屋づくりの実際
- ①ヤギ舎
- ②運動場とその他の付属施設
三、ヤギの飼料とその確保
- (1)おさえておきたいヤギの栄養と飼養標準
- (2)ヤギの好きな餌、与えると危ない草
- ①なんでも食べるが一種類にしない
- ②ヤギに有毒な植物
四、自家用から販売用まで成功の条件
- (1)ヤギ乳生産の場合
- (2)ヤギ乳生産を成功させるために
- (3)ヤギ肉生産の場合
- (4)ヤギ肉生産を成功させるために
- (5)各地でがんばる経営の事例
- ①一~二頭飼いから多頭飼育まで
- ②経営が軌道にのる条件
第三章 ヤギ飼育の実際
一、ヤギ飼育の方式
- (1)つなぎ飼い(?牧飼育)
- (2)放牧飼育
二、草づくり
- (1)周辺の雑草で十分
- (2)牛との混牧も有効
三、子ヤギの育て方
- (1)子ヤギの発育と初種付け時期
- (2)旺盛な発育に応じた飼い方をする
- (3)この時期に注意すること-野犬と蚊
四、種付けから分娩までの管理
- (1)体の成熟よりも早い性成熟-種付けの判断
- (2)繁殖の季節は秋に種付け、春に分娩
- (3)発情は鳴き方でわかり、二日間通続く
- (4)性欲が旺盛で交配が簡単
- (5)若いヤギ、産子数が多いほど短い妊娠期間
- (6)分娩時間は昼間が多い
- (7)中性ヤギは妊娠しない
- (8)種雄の飼育法
五、搾乳と搾乳中の管理
- (1)人間の都合で大きくなった乳房
- (2)知っておきたい泌乳の仕組み
- ①ヤギの泌乳の特徴
- ②ヤギの泌乳量
- ③ヤギ乳の成分
- ④泌乳曲線と乳成分の変動
- (3)搾乳の実際と要領
- (4)この時期の飼い方-泌乳量に応じた栄養補給
- ①一~二頭での餌給与例
- ②二二頭での餌供与例
- (5)哺乳中の子ヤギの育て方、取扱い方
- ①分娩直後の扱い方
- ②初乳の与え方
- ③哺乳と離乳の方法
- ④除角の要領
- ⑤去勢の方法
六、肥育管理のポイント
- (1)ヤギの成長と発達順序
- (2)ヤギの飼料効率と枝肉の特徴
- ①飼料効率は乳用ヤギが高い
- ②ヤギ枝肉の特徴
- (3)肥育ヤギの飼い方
- ①筋肉量を増やすことを重点に
- ②飼い方の実際-「若齢ヤギの強制育成」の考え方で
- (4)屠殺依頼のしかた、枝肉まで
- ①自家用屠殺の手続き
- ②屠殺・解体の方法
- ③屠場での解体法
七、病気、障害と防ぎ方
- (1)ヤギがかかりやすい病気と障害
- (2)ヤギの病気を防ぐチェックポイント
- ①基本は不適切な管理をしないこと
- ②第一のポイントは十分な反芻
- ③第二のポイントは乾燥した環境
- ④第三のポイントは観察力
- (3)鼓脹症
- (4)有毒植物の採食
- (5)腰麻痺(脳脊髄糸状虫症)
- (6)捻転胃虫などの寄生虫症
- ①胃虫
- ②条虫
- ③腸結節虫
- ④コクシジウム
- (7)下痢症
- (8)肺炎
- (9)乳房炎
- (10)蹄病
第四章 乳・肉の加工・販売
一、乳を使った調理・加工
- (1)ヤギ乳の飲み方
- (2)ヤギ乳・乳製品への利用
- ①アイスクリーム
- ②ヨーグルト
- (3)乳の臭いの消し方
二、肉を使った調理・加工
- (1)多彩なヤギ肉の利用
- (2)珍味・ヤギ肉料理
- ①ヤギ汁
- ②刺身
- ③チーイリチャ
- ④内臓汁
- ⑤鉄板焼き
- ⑥ヤギ骨スープ
- (3)保存肉のつくり方
- ①塩蔵肉
- ②風乾肉
三、毛や皮の利用
第五章 ヤギの歴史と世界の品種
一、世界と日本、家畜としての歴史
- (1)世界のヤギは西アジアから広まった
- (2)日本の乳用ヤギは洋種ヤギの輸入から始まった
- (3)日本の肉用ヤギのルーツ
二、世界と日本、多様な品種
- (1)肉用種
- ①日本在来種
- ②日本ザーネン種
- ③在来系雑種
- ④その他の品種
- (2)乳用種
- ①ザーネン種
- ②日本ザーネン種
- ③ブリティッシュ・ザーネン種
- ④トッゲンブルグ種
- ⑤ブリティッシュ・トッゲンブルグ種
- ⑥アルパイン種
- ⑦ブリティッシュ・アルパイン種
- ⑧ヌビアン種
- ⑨アングロ・ヌビアン種
- (3)毛・皮用種
- ①アンゴラ種
- ②カシミヤ
付録
ヤギの管理・飼料給与・衛生カレンダー
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