農産物直売所発展のてびき-競争の時代を生き抜く運営戦略

農産物直売所発展のてびき

 

今回は、農文協の「農産物直売所発展のてびき―競争の時代を生き抜く運営戦略」をご紹介します。

 


ページ数:164p

寸法:21 x 14.8 x 1.4 cm

出版社:農山漁村文化協会

刊行日:2005-03-01

概要

 

こちらの本は、野菜などの農産物や自家製の農産物加工品を、中間流通業者を通さずに生産者が消費者に直接販売する農産物直売所について、全国での広がりや運営形態、今後の展望を解説しています。

また、運営成功の秘訣や、全国の成功事例についても紹介しています。

 

本書は「農産物直売所(ファーマーズマーケット)・運営のてびき」の続編となっています。

構成は3部構成となっています。

第1部では、全国への売上規模や店舗数の推移、運営形態、仕入先の傾向など農産物直売所の実態を、都市農山漁村交流活性化機構の調査結果や各地の県農林水産部門の資料をもとに説明。

人口・立地条件ごとに売上・店舗規模の展望を推測したり、直売所の経営主体(単独農家、農家グループ、農協など)ごとに店舗規模や年間売上額など運営状況を解説しています。

 

第2部は、激しくなる農産物直売所間の競争を勝ち抜く、もしくは共生していくために押さえておきたいポイントを紹介しています。

品ぞろえの注意点や、直売店ならではのアピール方法についてアドバイスが載っています。

 

第3部は、全国で成功している13の農産物直売所について、概要、設立時の経緯や苦労話、独自の取り組みとその効果を紹介・解説しています。

また、下記の情報が表で掲載してあるのも参考になります。

  • 住所、連絡先、運営団体名称
  • 運営参加戸数(会員・組合員数)
  • 入会金
  • 販売手数料(生鮮品:10%、加工品10%、委託:20%など)
  • 運営開始年月日、直売所施設所有者
  • 整備導入事業、施設借用等の条件
  • 併設隣接施設
  • 休業日
  • 営業時間
  • レジ係
  • よく売れる生鮮品
  • よく売れる加工品
  • 目玉商品
  • 仕入商品
  • 年間のイベント
  • セールスポイント
  • 年間概算販売額

 

2005年の書籍のためデータはやや古いですが、直売所の仕組や運営形態、新たに開設を目指す際に注意するポイントを学ぶのにお勧めの一冊です。

 

なお、近年の農産物直売所の実態データについては、本書でも過去の調査結果が取り上げられている(一財)都市農山漁村交流活性化機構のホームページ(以下、HP ※1)に種々の調査結果が載っています。

特に、2017年に(一財)都市農山漁村交流活性化機構が実施した全国農林水産物直売所の実態調査(※2)は、現在(2018年時点)の直売所の実態を良く表しています。(2019年4月16日現在リンク切れ)

また、2008年度の調査結果との比較がされており、傾向もつかみやすいです。

その他、(独)農畜産業振興機構のHP(※3)でも直売所に関する種々の論文や分析が載っていますので、興味のある方はどうぞ。

※1 (一財)都市農山漁村交流活性化機構HP:https://www.kouryu.or.jp/

※2 (一財)都市農山漁村交流活性化機構・全国農林水産物直売所実態調査:https://www.kouryu.or.jp/information/20180216_278/

※3 (独)農畜産業振興機構HP:http://www.alic.go.jp/

スポンサーリンク

スポンサーリンク

 

目次

 

はじめに

執筆にあたって

 

第1部 ますます元気、農産物直売所

第1章 農産物直売所の現状と展望

  1. 直売所のいま
    • (1)成長を続ける農産物直売所
    • (2)増える出店と売上げ
    • (3)農産物直売活動のかたち
    • (4)常設施設で周年運営へ
    • (5)年度別にみた出店数の推移
    • (6)売上規模も拡大
    • (7)都道府県別の売上額推定
  2. 直売所のこれから
    • (1)立地条件ごとの将来展望
    • (2)発展レベルごとの将来展望
    • (3)直売所の総売上額は、いくらになるか

第2章 農産物直売所の分類と特徴

  1. 経営主体別にみた直売所
    • (1)単独農家による経営
    • (2)農家グループによる経営
    • (3)農協による経営
    • (4)農協女性部による運営
    • (5)公社等による経営
    • (6)その他の地域内組織による経営
    • (7)脱農家事業家による経営
    • (8)小売業・流通業などの業者による経営
    • (9)いろいろな複合組織による経営
  2. 仕入先別にみた直売所
    • (1)運営参加者の生産物に限定
    • (2)立地する地域の生産物だけ
    • (3)周辺地域の生産物も
    • (4)流通業者からの仕入品も扱う
  3. 売上額からみた直売所の課題
    • (1)零細規模店(年間売上額三千万円未満)
    • (2)小規模店(年間売上額三~六千万円)
    • (3)中規模店(年間売上額六千万円~二億円)
    • (4)大規模店(年間売上額二~五億円)
    • (5)超大型店(年間売上額五億円以上)

 

第2部 直売所活動で地域の活性化を

第1章 競争時代に発展しつづけるために

  1. 地元産にこだわる専門店をめざそう
    • (1)なんといっても地元産野菜
    • (2)果物・花で売上額を伸ばす
    • (3)手づくり加工品は人気が高い
    • (4)米も地場産が人気
  2. 直売所らしく、合理的な運営を
    • (1)販売品にこだわりをもとう
    • (2)生産者個人をアピールする
    • (3)組織の規律を確立し、企画力をつける
    • (4)つねに販売のための努力を
  3. 売上額・品揃え重視の大型店をめざす場合
    • (1)大型店の基準
    • (2)農協主導の大型直売所
    • (3)道の駅などに併設する大型直売所
    • (4)多品目少量生産・周年出荷の努力を
    • (5)大型店運営のポイント

第2章 新たな発展策と可能性

  1. 大型スーパーのインショップ
    • (1)インショップへの参加を打診されたら
    • (2)インショップへ参加する
    • (3)インショップに対抗して二号店を出店
  2. 直売所間ネットワーク
    • (1)地域内での直売所間ネットワーク
    • (2)遠隔地直売所とのネットワーク
    • (3)水産物直売所や漁業関係者とのネットワーク
  3. 新技術システムの活用
    • (1)インターネットを含めた通信販売
    • (2)情報通信技術の導入・活用
    • (3)生産履歴情報開示(トレーサビリティ)への対応
  4. 農村総合産業化をめざす
    • (1)直売所は農村への入り口
    • (2)併設食堂で地域食文化を発信
    • (3)グリーン・ツーリズム体験の提供
    • (4)食文化教育や、学校給食食材の供給
    • (5)地場加工業者との連携
    • (6)地域活性化への仕掛けを考えよう

 

第3部 全国の先進事例

  • ①徳島県石井町
    • 「百姓一」
  • ②青森県名川町
    • 「名川チェリーセンター」
  • ③愛知県美浜町
    • 「ジョイフルファーム鵜の池」
  • ④岩手県紫波町
    • 「紫波ふる里センター」
  • ⑤富山県南砺市
    • 「旬菜市場ふくの里」
  • ⑥佐賀県久保田町
    • 「久保田特産物直売所」
  • ⑦熊本県菊陽町
    • 「さん彩」
  • ⑧大阪府能勢町
    • 「能勢町観光物産センター」
  • ⑨千葉県八千代市
    • 「道の駅やちよ・農産物直売所クラフト」
  • ⑩岡山県岡山市
    • 「加茂川ふるさと交流プラザ」
  • ⑪秋田県大館市
    • 「陽気な母さんの店」
  • ⑫山形県櫛引町
    • 「産直あぐり」
  • ⑬長野県堀金村
    • 「旬の味ほりがね物産センター」

↓↓↓こちらをポチっとしていただけると励みになります
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
こちらもおまけで

人気ブログランキング

スポンサーリンク

スポンサーリンク