今回は、誠文堂新光社の「作庭帖―自然風庭園の手法」をご紹介します。
ページ数:178p
寸法:21.2 x 15.6 x 1.8 cm
出版社:誠文堂新光社
刊行日:1996-10
概要
こちらの本は、美しい自然を限られた庭という空間で表現する自然風庭園に用いられる手法を、イラスト付きで考え方を含めて詳しく説明・解説している一冊です。
冒頭は、カラーイラストで様々なスタイルの庭の設計例を紹介しています。
正面からと俯瞰のイラストが描かれており、お客様にお見せする施工後のイメージの参考になりそうです。
続いては、ここからが本編となりますが設計のための要点を、設計・植栽・施工の順番で解説しています。
設計の要点では、
- 庭の構成上の重点の決め方
- 気勢(植栽・石等、庭の構成物やその集まりの勢い・動きの方向・強さ・範囲)の説明とその組み合わせ方のコツ
- 空間や遠近感の使い方
などがイラストを用いて説明・解説されています。
植栽の要点では、
- 植栽のバランスの取り方
- 異なる樹種の配植のコツ
- 庭木の紹介(イラストはありませんが、樹高や使い方・配置のポイントが載っています)
について説明・解説があります。
施工の要点では、
- 蹲踞やあられこぼし、池など庭の構成物の説明と配置のポイント
- 三又やコロを用いた石の移動・据付け方法
などにつき説明・解説しています。
以上のような作庭・造園の基礎知識が著者の経験も交えてイラスト付きで分かり易く解説してあります。
庭園づくりを学ばれている方やこれから学ぼうとされている方には取っ付きやすく読みやすい良書だと思います。
こちらの本はリニューアルされた新刊があるようなので下記で紹介しておきます。
私は古いほうの本しかもっておりませんが、新版の方はカラー化が進んでおり、解説も加筆されているそうです。
これからご購入される方は新版のほうが良いかもしれません。
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目次
- 作例1/池と蹲踞のある庭
- 作例2/自然風テラスの庭
- 作例3/小さな滝のある庭
- 作例4/池を中心とした庭
- 作例5/蹲踞と流れの庭
- 作例6/角型水鉢を生かした庭
- 作例7/小端積と枯流れの庭
- 作例8/曲線の小端積と岬灯籠
- 作例9/戸外室としての庭
- 作例10/方向性を生かした庭
- 洋風庭園1/サンクガーデンにウッドフェンス
- 洋風庭園2/サンデッキのある庭
- 洋風庭園3/広いテラスと水鉢のある庭
- 前庭1/開放的で広く見せる
- 前庭2/門を斜めにつけて奥行を出す
- 前庭3/駐車場を庭として見せる
- 前庭4/アプローチを曲げて奥行感を出す
- 前庭5/通路と駐車場を兼ねる
Ⅰ 設計の要点
- 庭園の形成
- 構成上の重点
- 気勢について
- 1)気勢とは
- 2)気勢の実際
- 空間の構成
- 遠近感と空間
- 真・行・草
- 職人の原則
- 暗示とアイストップ
Ⅱ 植栽の要点
- 自然風植栽
- 植栽のバランス
- 外周植栽のバランス
- 不等辺三角形の植栽
- 低木の植栽
- 樹種の配植
- 樹木配置の要点
Ⅲ 施工の要点
- 蹲踞
- 1)蹲踞の構成
- 2)水鉢の種類
- 3)役石について
- 4)框の扱い
- 5)水鉢の据え方
- 6)蹲踞の配置
- 7)降り蹲踞
- 8)掛樋の扱い
- 9)灯籠の位置
- 10)蹲踞周りの植栽
- 飛石
- 1)飛石の打ち方
- 2)飛石と植栽・景石
- 3)短冊石
- 延段
- 1)延段での短冊石の配置
- 2)丹波石・鉄平石の扱い
- あられこぼし
- 門の位置と動線
- 1)門~玄関の通路
- 2)門の位置どり
- 滝
- 1)滝について
- 2)滝の位置
- 3)滝の方向
- 4)滝の石組
- 5)水の落とし方
- 6)滝口周りの植栽
- 流れ
- 1)景石の配置
- 2)護岸
- 3)中島
- 4)洲浜
- 5)乱杭
- 6)滝・流れの配置
- 7)流れ周りの植栽
- 8)地山の形
- 池
- 1)池の形と奥行
- 2)池の実際例
- 庭石について
- 1)基本的な据え方・組み方
- 2)野面石積
- 3)乱積
- 4)青石・丹波石等の小端積
- 石の移動・据付け
- 1)三又およびコロ
- 2)コロによる石の移動
Ⅳ 庭木の手入れ
- 植物の生育と性質
- 1)植物の性質
- 2)樹形の見方
- 3)木を見て庭を見ていない
- 手入れの方法
- 1)立枝
- 2)垂枝
- 3)逆枝
- 4)重なり枝
- 5)小枝の切り方・透し方
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