今回は、昭和堂の「農村コミュニティビジネスとグリーン・ツーリズム―日本とアジアの村づくりと水田農法」をご紹介します。
ページ数:167p
寸法:21.3 x 15.1 x 1.7 cm
出版社:昭和堂
刊行日:2011-10
概要
こちらの本は日本やアジアで取り組まれている、水田による生物多様性農法や、6次産業・農村コミュニティビジネスによる村づくりを紹介・解説しています。
韓国、中国少数民族、タイについて書かれている部分では、その地域で行われているさまざまな生物多様性農法や地域活性化のために取り組まれている農村コミュニティビジネスについて書かれており、各地の行政データに著者自身による現地調査のデータも加わって、なかなか知ることのできないアジアの農村の実態を知ることができます。
特に、中国雲南省元陽の少数民族・ハニ族の営む棚田の写真が白黒で載っているのですが、その壮大な棚田の連なりと、その広大な棚田を管理する仕組みとルール、見事な資源循環の流れには関心し通しでした。
また、そこに取り入れられた農村コミュニティビジネス(農家楽)の現状と村民への影響などもとても興味深かったです。
文中にはそれらの取り組みによる弊害や課題も書かれていますので、そういった面でも、農村コミュニティビジネスやグリーン・ツーリズムについて調べている方には参考になると思います。
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目次
序章 モンスーンアジアの水田農法と農村家族
-グリーンツーリズム推進組織の2つのタイプ
第Ⅰ部 日本と韓国の村づくり、水田農法、グリーン・ツーリズム
第1章 グリーン・ツーリズムと地域ブランド化
-村づくりの展開方法と3つの条件
- 村づくりの展開方向と3つの条件
- グリーン・ツーリズムによる農村コミュニティビジネスとネットワーク組織
- 農法・マーケティング改革による特産品の地域ブランド化
- 地域価値とコミュニケーション・マーケティング
第2章 コウノトリ育む農法と魚のゆりかご水田
- コウノトリ育む農法の現状と課題
- 魚のゆりかご水田の現状と費用便益分析
- 稲作・魚の放養同時作による地域ブランド化
ティータイム① 私の有機農業
第3章 農村コミュニティビジネスと村づくり
- 農村コミュニティビジネスの3つの機能
- 森の巣箱運営委員会による農村コミュニティビジネス
- 農事組合法人古座川ゆず平井の里による6次産業化
- 農村コミュニティビジネスと村づくり組織の連携
第4章 韓国の村づくりと農村コミュニティビジネス
- 韓国における新しい農村観光政策の展開
- 韓国における新しい農村観光政策の評価と課題
- マウルぐるみ農村観光としての伝統テーママウル
- 韓国の新農漁村建設運動と農村コミュニティビジネス
第Ⅱ部 中国南部とタイにおける少数民族の村づくり、水田農法、グリーン・ツーリズム
第5章 雲南省元陽ハニ棚田の生物多様性農法と資源循環型農村社会
- 地域の概要
- 資源の地域内循環と持続的農村
- 農村の共同管理と森林保全
- 自然主義的稲作と生物多様性農法
- 生物多様性農法における施肥方法と地力保全
ティータイム② 暮らしの水に関する日中比較
第6章 雲南省元陽ハニ棚田の村づくりと農家楽
- 土戈寨における農村開発の展開状況
- ハニ族の家族と生活文化
- ハニ族の親族集団と農村経済
- 棚田保全と農家楽
ティータイム③ ひとつの地球で済ませたい
第7章 貴州省雷山ミャオ族の村ぐるみ農村コミュニティビジネス
- 郎徳上寨の概要と農家楽
- 村ぐるみ農村コミュニティビジネスと伝統的組織
- 親族集団による農家楽の運営
第8章 タイ北部カレン族の屋敷地共住集団とエコツーリズム
- タイのエコツーリズムとアグロツーリズム
- カレン族社会における屋敷地共住集団
- カレン族のエコツーリズム集団と農村コミュニティビジネス
- エコツーリズム組織の形成原理
終章 農村コミュニティビジネスの役割と村づくりの課題
- 日本と中国南部における農村社会の比較
- 日本と中国南部における農村コミュニティビジネスの役割
- モンスーンアジアの視点からみた日本の村づくりの課題
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