今回は、農文協の「ユズ-栽培から加工・売り方まで (新特産シリーズ)」をご紹介します。
ページ数:163p
寸法:18 x 12.8 x 1.4 cm
出版社:農山漁村文化協会
刊行日:2000-04-01
概要
こちらの本は、ユズの特徴や植え方、管理方法、せん定方法、主な病害虫被害の症状と予防・防除方法などが載っています。
農文協の新特産シリーズで、著者は徳島県で農業改良普及センター勤務や、徳島県果樹試験場専門研究員、化学科長などを歴任している果樹の専門家。
第1章は、ユズの有用性、活用方法、出荷時期、市場価格の目安などが載っています。
特にユズの販売単価の年間推移のグラフは、ユズ栽培に取り組む前におおよその採算性を試算するのに役立ちます。
第2章は、花や実、樹の特徴や、栽培にあたっての施肥、誘引、せん定などのポイントを説明しています。
第3章は、実際の栽培方法について、最適な栽培地の選定から、植栽、管理、さらにハウス栽培する場合のポイントなど詳しく解説しています。
植えて一年目、二年目と成木なるまでの毎年の管理のポイントが年度ごとに分けて記載してあったり、成木後についても一年間を通した管理法が載っています。
病害虫の症状や予防・防除方法についても写真付き(白黒写真なのが少し残念)で説明・解説。
その他、見た目を良くする着色促進方法や、収穫後の腐敗防止のための予措方法、品質を保つ貯蔵方法など、市場にユズを販売するにあたって有用な収穫後の処置方法も紹介されています。
第4章は、ユズの加工方法や調理方法が載っています。
説明はかなり簡単で、写真もないので、おまけ程度に考えたほうが良いかと思います。
植え方や誘引・せん定、管理方法、施肥量など載っており、ユズを生産・販売を考えている方にお勧めの一冊です。
ただし、ある程度農業経験のある方を対象としているようで、初めて果樹を植えるという方は、別途補足するような書籍が手元にあったほうが良いかもしれません。
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目次
まえがき
第1章 ユズ栽培の魅力
- 独特の栄養・薬用価値
- (1)古くから薬用、食酢として利用
- (2)優れた栄養成分、懐かしい風味
- (3)病を治す元気のもと「クエン酸」
- 寒地で有利な省力果樹
- (1)カンキツ類ではもっとも耐寒性が強い
- (2)寒地はむしろ適地、鮮やかに着色
- (3)薬剤防除は少なく、施肥も容易
- (4)搾汁は簡単、広がる用途・加工法
- 多様な作型で周年出荷
- (1)露地青玉・黄玉出荷(八~一二月)
- (2)露地貯蔵果出荷(一~四月)
- (3)ハウス促成出荷(四~七月)
- (4)作型組み合わせの例
第2章 ユズ栽培の特徴とポイント
- ユズの成り立ちと特徴
- (1)花の形はずんぐり、花数が多い
- (2)果実は浮き皮、腐敗しやすい
- (3)枝はトゲがあり、年三回発芽・伸長
- (4)葉は翼葉があり、落葉が多い
- (5)着花(果)は前年伸長した春枝に
- 夏肥と摘果で連年生産
- (1)カンキツ類で見られる隔年結果性
- (2)高い酸濃度が隔年結果を助力
- (3)生理落果、秋期落葉も激しい
- (4)夏肥で窒素の吸収率を高める
- (5)摘果の徹底で着果負担を減らす
- 誘引重視で低樹高・早期結果
- (1)樹が高くなり、高位着果しやすい
- (2)樹形を整えるには誘引を重視
- (3)せん定は最小限にとどめる
- (4)表年は春枝、裏年は花を大切に
- かいよう性虎斑病を防いで品質向上
- (1)果実品質を著しく損ねる大問題
- (2)夏場の灌水、カリ施用が有効
- 適正品種の選定・育成
- (1)地域品種が根強く栽培されている
- (2)導入後の育種・選抜が効果的
- (3)実生の不良系統には高接ぎ更新も
- (4)種がなく、果汁量が多い「無核種」
- 多田錦
- (5)三年生で実が成る「早期結実種」
- 山根系、東地系
- (6)多収が見込める「普通種」
- 海野系、木頭六号、七号、走川系、殿川系、和田三号、椎本系
第3章 ユズ栽培の実際
- 適地の選択と圃場整備
- (1)最低気温マイナス七℃以上で多雨がよい
- (2)凍害を受けやすい場所を避ける
- (3)園内道、スプリンクラーを設置する
- (4)水田転作田ではスキ床層を壊す
- 育苗と植え付け
- (1)カラタチ実生苗(台木)の播種から接木まで
- (2)苗木の接木から掘り上げまで
- (3)植え穴は大きく、栽植間隔も考慮
- (4)苗木は、根をよく広げて植え付け
- (5)早期成園化がねらえる大苗定植
- 成木までの管理
- (1)一年目は病害虫、凍害に注意
- (2)二年目は主枝候補枝を誘引
- (3)三年目は全摘花、徒長枝せん除
- (4)四年目以降は結果を促す枝管理
- (5)四~六年目で成木なみの施肥・防除に
- 一年間の管理
- (1)発芽前の三月中に誘引・せん定を
- (2)発芽・枝葉伸長期は徹底防除
- (3)開花・結果期は積極的に夏肥
- (4)一時落果が終わったら摘果を
- ①若木、裏年―全面摘果
- ②成木、表年―局部全摘果
- (5)果実肥大期はこまめな灌水を
- 土壌管理・施肥・灌水
- (1)堆肥、苦土石灰で土づくり
- (2)結果量にあわせて夏重点施肥
- (3)夏期・冬期の乾燥時に灌水を
- 気象災害の回避
- (1)凍害は幼木保護、徒長枝せん除で
- (2)風害は防風林(垣)、トゲせん除を
- (3)乾燥害・日焼けには灌水で
- 病害虫の防除
- (1)病気は予防重視で先手を打つ
- ステムピッティング病、そうか病、灰色かび病、黒点病、ユズ乾腐病
- (2)害虫は発生を見たら早めに対処
- 訪花昆虫、カイガラムシ類、カミキリムシ、アブラムシ、ハモグリガ、ミカンハダニ
- (1)病気は予防重視で先手を打つ
- 収穫・予措・貯蔵
- (1)樹全体の果実着色を目安に収穫
- (2)エチレンガスで簡易着色促進も
- ①施設と方法
- ②処理温度と暖房
- ③処理後の処置と着色
- (3)収穫後は腐敗防止に必ず予措を
- (4)果実の着色度で予措法を使いわけ
- (5)冷房貯蔵は徐々に温度を下げる
- (6)貯蔵病害は適切な湿度管理で防ぐ
- (7)外観により果実を選別、有利販売
- ハウス栽培のポイント
- (1)ハウス栽培の特徴と留意すべき点
- (2)立地条件を考慮し、設備を整える
- (3)栽植密度に注意、結果樹に被覆
- (4)早期に徹底したせん定で夏枝を充実
- (5)秋芽を発芽抑制、被覆で発芽促進
- (6)加温開始の目安は「水挿し法」で
- (7)被覆二年目からは「ならし温度」で
- (8)施肥、灌水ともに適切な管理で
- (9)ハダニ、灰色かび病には要注意
第4章 ユズの加工、料理、楽しみ方
- 暮らしに役立つユズの使い方
- (1)ユズ酢の搾汁、ろ過、貯蔵の方法
- (2)ユズ果実のいろいろな料理法
- ①ユズ味噌/②ゆびしょ/③ユズ酒/④ユズジャム/⑤ユズ皮のみりん漬/⑥ユズでんぶ/⑦ゆねり/⑧ユズジュース/⑨ユズのマーマレード/⑩ユズのつくだ煮/⑪ユズねり/⑫ユズ菓子/⑬ユズ皮の砂糖漬/⑭ユズ羊かん/⑮ユズ漬/⑯ユズ皮の味噌焼き/⑰ユズのしょうゆ漬/⑱ゆべし
- (3)ユズの美容・健康法
- (4)ユズ湯のつくり方と効用
- (5)その他のユズの利用法
- 実生ユズの管理と利用法
巻末付録 ユズ栽培管理暦
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