今回は、農文協の「根こぶ病-おもしろ生態とかしこい防ぎ方」をご紹介します。
ページ数:116p
寸法: 20.4 x 14.8 x 1.4 cm
出版社:農山漁村文化協会
刊行日:2006-04
概要
こちらの本は、アブラナ科の野菜の根に大きな根こぶを作ることで養水分の吸収を妨げ、地上部を枯れさせてしまう「根こぶ病」について、その生態と防除方法を紹介・解説しています。
根こぶ病の伝播・拡大・防除の歴史から始まり、根こぶ病の発病メカニズムや根こぶ病対策をデータとともに記述。
土壌肥料のプロである著者の方々が、土壌学の観点から約20年にわたり研究した成果が載っています。
日本各地の様々な土質で、pHや塩基飽和度などの土壌化学性と根こぶ病の休眠胞子の数・発病程度などを調べるなど、化学的に土壌の性質と根こぶ病発病の関係を考察してあります。
また、おとり作物の有効性やその効果的な利用方法も紹介・解説してあります。
著者の根こぶ病対策の一つの結論である「転炉スラグ」については、効果の根拠から効果的な使い方・施用例とその結果も含めて詳しく載っています。
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目次
序 検証!根こぶ土壌の栽培管理
- 土壌pHが高いのに発病する畑
- 中途半端な酸度矯正、でも……
- 根こぶ病の殺菌剤、じつは「発芽抑制剤」
- リン酸過剰畑では、石灰も殺菌剤も役立たず!
- 深耕ロータリやプラウ耕がアダに
- 狙うは休眠胞子密度の徹底削減
Ⅰ 根こぶ病とは
- 古くて新しい大物土壌病害
- 小さくてもすごい奴-ネコブカビの生い立ち、性格
- その殖え方は“根こぶ算式”-ネコブカビの生活環
- ネコブカビが苦手な相手、環境
Ⅱ 発生する土、しない土-根こぶ病を土から見ると
- 発病しない土のふしぎ
- 発病のカギは休眠胞子密度
- 発病を左右する条件
Ⅲ 「土づくり」が発病を誘う-根こぶ病から見えてくるもの
- 土壌病害は地力低下が原因か?
- 土は、地力と「土力」に分けて考える
- 「土力」が下がる理由
- 窒素過多が招く土壌酸性化
- 物理性改善も大事だが
Ⅳ こうして防ぐ根こぶ病-菌を叩くより、土を変える
- いそがばまわれ-殺菌剤だけには頼れない
- ひと味ちがう酸性改良-根こぶがでない土にする
- 転炉スラグの酸性改良効果
- 転炉スラグによる酸性改良マニュアル
- 転炉スラグと併用して効果
- 転炉スラグの施用事例-根こぶ根絶宣言を出した人たち
- こんな根こぶ病対策も
付録 根こぶ病根絶マニュアル(根こぶ病対策のまとめ)