今回は、寿郎社の「種子法廃止と北海道の食と農 地域で支え合う農業―CSAの可能性」をご紹介します。
ページ数:168p
寸法:21.2 x 14.8 x 1.4 cm
出版社:寿郎社
刊行日:2018-03-30
概要
こちらの本は、2018年3月31日をもって役目を終えることとなった主要農作物種子法(以下、種子法と表記。同年4月1日より種子法廃止法施行)の果たしてきた役割や、同法廃止によって想定される問題(特に多国籍企業による種子の囲い込み)に対する警鐘、食と農の将来、CSA(地域支援型農業)について語られています。
第1部は、北海道でCSAを実践・発信している3名の農家の取り組みや、種子法廃止に対する危惧が語られています。
第2部では、まず種子法の仕組や、北海道の種子生産の歴史、現在の種子生産体制を説明しています。
つづいて、種子法が廃止になる流れとTPPの関連、海外の実際の事例を交えた多国籍企業による種子の囲い込みの危険を説明・解説しています。
特に中南米やアフリカでの種子に対する規制と農民の反対運動、カナダやチリでの訴訟などは、日本の今後を考えるうえで大変に考えさせられるものです。
第3部では、遺伝子組み換え作物を中心に、日本での普及状況や種子法廃止が与える影響、その問題点と危険性について語っています。
第4部では、食の過度なグローバールに対する危惧と、CSAやローカリゼーションの広がりについて述べられています。
種子法廃止により起こりうる問題を、世界ですでに発生している問題とリンクさせつつ、複数の著者により多角的に説明・解説している一冊です。
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目次
第1部 種を継ぐ人々
- 1 いのちは誰のもの?―種子法廃止が与える農家への影響……荒谷明子
- 2 種がつなぐ、人と地域と自然と……伊達寛記
- 3 人をつなぐ、命をつなぐ「ひとりCSA」……ミリケン恵子
第2部 種子法の廃止とこれからの行方
- 4 種子法が果たしてきた役割と廃止後の課題……田中義則
- 5 種子法はなぜ廃止されたのか……安川誠二
- 6 多国籍企業が世界で進める種子支配……久田徳二
第3部 先端育種技術と種子法廃止の関係
- 7 種子法廃止と遺伝子組み換え作物……富塚とも子
- 8 種子法廃止とゲノム編集……天笠啓祐
第4部 これからの食と農を考える
- 9 命を支える「食の経済」をつくろう……エップ・レイモンド
- 10 ローカリゼーションが人々を幸せにする……ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ
- 補遺 種子は人類共有の財産? それとも企業の所有物??……エップ・レイモンド
あとがき
初出一覧
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