今回は、農文協の「緑肥作物 とことん活用読本」を
ご紹介します。
ページ数:211p
寸法:20.8 x 14.8 x 2 cm
出版社:農山漁村文化協会
刊行日:2014-08-08
概要
こちらの本は、緑肥作物を活用することで、
減肥、線虫害・土壌病害の抑制をする方法を紹介しています。
また、緑肥作物自体の播種方法やすき込み方法についても
解説があります。
緑肥(りょくひ)とは、
「栽培している植物を、収穫せずそのまま田畑にすき込み、つまり、植物と土を一緒にして耕し、
後から栽培する作物の肥料にすること、またはそのための植物のこと」
です。※wikipedia参照
緑肥作物には様々な種類があり、それぞれ特徴があります。
効果も、あるものは汎用性が高く、どのような場面でも一定の効果が見込めたり、
あるものは特化しており、有効な使い方をすると高い効果が見込めたりと様々です。
こちらの本では、ある特定の問題に対する緑肥の効果を、
緑肥の有無や緑肥作物の種類を変えた場合のデータを比較することで
分析しています。
使用されるデータは、収穫量、土中の線虫密度、土中のチッソ・リン酸含量など
問題ごとに比較に有効なものを用いています。
目次
本の構成は、
- 緑肥の魅力、活用法
- 緑肥作物の種類と特性
- 対象作物別緑肥の選び方と活用のポイント
- 緑肥栽培の実際と導入方法
です。
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内容紹介
1章は、緑肥の基本的な知識・効果を
- 土壌改良
- 肥効と減肥効果
- 有害線虫の抑制
- 土壌病害の抑制
- 景観維持・農薬飛散防止等
などに焦点を当てて説明しています。
緑肥について知識を深めるとともに、
問題解決に効果的な緑肥作物について、データ付きで説明があります。
また、文量は多くありませんが線虫や病害についても
写真を交えて解説があります。
写真が白黒なのが少し残念です。
2章は、緑肥作物の種類と播種時期、効果が載っています。
前章では問題に対して効果のある緑肥作物の検討がされていますが、
本章では緑肥作物側からみて、その緑肥が何に効果があるかが述べてあります。
3章は主に、栽培する作物に対して、どの緑肥作物が有効かが載っています。
- 北海道でのジャガイモ・マメ類・根もの野菜・テンサイ・小麦など
- 北海道以外の地域でのジャガイモ・トマト・水稲・転作大豆など
上記の作物に対して有効な緑肥が検討されています。
ただ、北海道の作物に対する緑肥の検討は、緑肥利用が普及しているためか、
この作物に対してはこの緑肥がこういう理由でおすすめであると結論的に示しているのに対し、
北海道以外の地域では、事例的な形で、この作物のこの問題に対して、
この緑肥はどの程度効果があったかという考察がメインとなっているように感じます。
また、ヘアリーベッチについて、16ページ(さらに他のページで2ページ)を割いて
考察してあるので、ヘアリーベッチの利用を考えている方は参考になると思います。
4章は、緑肥栽培の導入について載っています。
緑肥のタイプ(休閑緑肥、線虫対策・後作緑肥など)ごとに
緑肥の種類と導入月が表となっているので、わかりやすいです。
後半には緑肥の播種やすき込みの方法も載っています。
また、園芸作物・ハウス栽培と露地栽培(サツマイモ)について、
緑肥を導入した場合の収入シミュレーションが載っています。
巻末に、種苗会社4社の取り扱っている緑肥作物名別に
- 用途、品種、作物名
- 緑肥の特性
- 播種量、利用例
などが載っています。
種苗会社は、雪印種苗、ホクレン、タキイ種苗、カネコ種苗です。
記述方法が各社異なっているため単純比較はできませんが、
緑肥選びの参考になるかと思います。
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