緑肥を使いこなす

緑肥を使いこなす

 

今回は、農文協の「新版 緑肥を使いこなす-上手な選び方・使い方」を

ご紹介します。

 

ページ数:158p

寸法:20.6 x 15 x 1.6 cm

 

 

概要

 

こちらの本では、全国の緑肥を使用に関する、具体的な事例と結果を多数紹介しています。

 

例えば、アズキ落葉病対策として、ある緑肥を使用した場合、使用前と比べ

罹病度合(%)※1や褐変率(%)※2がどの程度変化したかについての考察や、

ジャガイモそうか病対策として、休閑緑肥を導入した場合の、

pH値、交換酸度※3や病イモ率(%)、さらに収量の変化について考察などがあります。

※1:発病率

※2:褐色に変色した節の割合。定義の詳細については本書に記載あり。

※3:一般的に、そうか病はpH値が小さいと発病が抑制されますが、

低pH値は酸性障害を引き起こします。

 

そのほか、土壌病害に有効な緑肥の紹介や、個々の緑肥と特性や栽培方法についても

紹介しています。

 

 

目次

 

本書は、3章で構成されており、目次は下記のとおりです。

  1. 新時代の緑肥作物 その魅力と実力
    1. 近年ますますパワーアップする緑肥
    2. 緑肥の機能はこんなにある
    3. 今後注目の利用方法
  2. 緑肥作物の選び方・生かし方
    1. 緑肥作物の種類と特性・栽培方法
    2. 緑肥の播種とすき込みのポイント
    3. 緑肥作物栽培上の注意点
    4. 畑作物別の最適な緑肥作物(北海道)
  3. 緑肥作物利用 優良事例と研究報告

 

 

内容紹介

 

Part1 新時代の緑肥作物 その魅力と実力

緑肥の基本的な特徴や工作緑肥、休閑緑肥、裏作緑肥などの緑肥の種類とその品種の説明があります。

また、

  • 団粒構造の形成、透水・排水性の改善など、物理性の改善
  • 保肥力増大、クリーニングクロップ、空中チッソの固定、菌根菌によるリン酸の有効利用など、化学性の改善
  • 土壌微生物の多様性の改善、土壌病害の抑制、有害線虫の抑制など、生物性の改善

といった側面から、それぞれの改善したい性質に対し、

最適な緑肥の品種がリストアップされています。

 

次に、土壌病害対策として、緑肥の一つ「ヘイオーツ」について、

土壌病害を抑制するメカニズムの説明と個別の病気に対しての導入実例の紹介があります。

導入実例の挙げてある病気は下記です。

  • アズキ落葉病
  • ジャガイモそうか病
  • アブラナ科根こぶ病
  • キャベツバーティシリウム萎凋病
  • ダイコンバーティシリウム黒点病
  • トマト半身萎凋病
  • テンサイそう根病

 

続いて、有害線虫の被害と、対策に有効な緑肥、及びその導入実例の紹介があります。

導入実例の挙げてある線虫は下記です。

  • キタネグサレセンチュウ
  • サツマイモネコブセンチュウ
  • ダイズシストセンチュウ

上記のほか、ダイコンなどのアブラナ科作物で食害を起こすキスジノミハムシの対策が紹介されており、

また、文中でノコギリネグサレセンチュウ、ミナミネグサレセンチュウについても一部触れられています。

 

そのほか、雑草を抑制するカバークロップや、農薬飛散を防ぐドリフトガードクロップに有効な緑肥について紹介してあります。

 

Part2 緑肥作物の選び方・生かし方

ここでは、緑肥作物を紹介します。

下記の項目につき記載されています。

  • 導入の狙い目
  • 特性:生育、雑草との競合、耐寒性、有効な土壌病害、線虫など
  • 栽培方法:播種量、播種期、施肥量、すき込み期、後作の減肥量など
  • 注意点:使用、栽培にあたっての注意点

 

また、紹介されている品種は下記となります。

  • エンバク・その他ムギ類:
    • ヘイオーツ、とちのゆたか、たちいぶき、緑肥用エンバク・スワン、緑春、キタミノリ、てまいらず、ハナミワセ、雪印系ナギナタガヤ
  • 寒地型マメ科緑肥作物:
    • まめ助、はるかぜ、くれない、レンゲ
  • シロガラシ・ハゼリソウ・ヒマワリ:
    • キカラシ、アンジェリア、夏りん蔵
  • ソルゴー・トウモロコシ:
    • つちたろう、ねまへらそう、グリーンソルゴー、三尺ソルゴー、スダックス緑肥用、緑肥用トウモロコシ
  • 暖地型イネ科牧草:
    • ソイルクリーン、ナツカゼ
  • 暖地型マメ科牧草:
    • ネマキング、ネマコロリ、田助、アフリカントール

中には、導入による収穫量の変化や、線虫抑制効果の表がついているものもあり、

導入にあたって参考になります。

 

次に、緑肥の播種とすき込みのポイント、栽培上の注意点を説明しています。

緑肥による減肥計算方法や減肥量の目安の求め方について解説があるので、

施肥設計をする際、参考になります。

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Part3 緑肥作物利用 優良事例と研究報告

 各地の農業改良普及センターや農業研究センターと協力して行った事例や研究が

報告されています。

紹介されている事例・研究は下記となります。

  • コムギ後作利用にクリムソンクローバー「くれない」を作付け、ダイズシストセンチュウを抑制
  • VA菌根菌の有効利用で後作に増収効果を
  • バレイショうねにヘアリーベッチのリビングマルチ、雑草抑制と肥料効果
  • シロクローバを用いたリビングマルチでトウモロコシの雑草を抑制
  • 緑肥作付けでバレイショの収量と品質アップ
  • ナギナタガヤ・まめ助による第三世代果樹の草生栽培
  • ドリフトガードクロップで農薬の飛散防止を

以上の事例・研究がデータを交えて説明してあります。

 

巻末に、種苗会社3社の取り扱っている緑肥作物名別に

  • 品種名、作物名
  • 緑肥の効果、特性
  • 播種量、播種期、利用例

などが載っています。

種苗会社は、雪印種苗、カネコ種苗、ホクレンです。

記述方法が各社異なっているため単純比較はできませんが、

緑肥選びの参考になるかと思います。

 

 

最後に

本書は実例やデータが豊富で、また、減肥の計算方法も記載してあるので、

緑肥を導入するにあたって、品種の選定のための事前知識を得るために良いかと思います。

また、挙げられた実例と似たケースであれば、効果の予測もつきやすいのではないでしょうか。

 

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